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複業人材の活用をきっかけに変わる、地域の企業経営

2021.04.01 更新

今回は地域複業プロジェクトに、地域企業かつ地域コーディネーターとして参加いただいた有田さんにお話を伺いました。

(株)フリーエム 代表取締役社長 有田耕一郎さん

 

■プロフィール

広島県安芸高田市に本社を置く㈱フリーエム代表取締役。若者と地元中小企業をつなぐ中間支援組織「特定非営利活動法人キャリアプロジェクト広島」を設立し、安芸高田市「地域人材育成コンソーシアム」推進会議を運営している。
JOB HUB LOCALの地域複業事業「複業でご縁むす部in広島・あきたかた」では、複業人材を受け入れる地域企業の社長として、また地域企業をリードする地域コーディネーターとして参加。事業内において自社が複業人材とマッチングしただけでなく、安芸高田市内企業における複業人材の受け入れをサポートした。

 

Sec1 求めていたのは、地域に新たな変化を生み出す視点

—2019年度におこなわれた、広島県安芸高田市の地域中小企業と中核人材を複業でマッチングするプロジェクト”複業で、ご縁むす部in広島・あきたかた”について、初めて説明を聞いた時はどのような印象をお持ちでしたか?

率直に「面白そうなプロジェクトだな」と思いました。2018年度に実施された岩手県の遠恋複業課の事例が非常に参考になり、地域複業への関心が少しずつ高まっていることをよく理解できました。ただ、私は転勤で広島に来るまで安芸高田のことを全く知らなかったので、実際に都市部の人がどれだけこの地域に興味を示してくれるのかは未知数でしたね。

※遠恋複業課とは
遠恋複業課は岩手県の地域企業と都市部複業人材の関係を”遠距離恋愛”に例えたマッチングプログラム。平成30年度に取り組みを開始して以来マッチング事例が続々と誕生している。

 

有田さんは複業人材を受け入れる企業の経営者としてだけでなく、コーディネーターという立場でもプロジェクトに携わったとのことですが、取り組んでみていかがだったでしょう。

企業と複業人材のマッチングが円滑に進むようにサポートさせていただきましたが、他の経営者の皆さんに積極的に働きかけをしたというよりも、私の会社で率先してプロジェクトに取り組み、皆さんが後を追いやすいようにしたという感じですね。

 

複業人材の受け入れに興味を示してくださった地域企業の経営者の皆さんには、具体的に解決してもらいたい課題があったのでしょうか。

明確に解決してもらいたい課題があったわけではないと思います。

 

例えば、もし自社の商品開発が遅れていて、それが1年後の業績に大きな影響を及ぼすことがわかっていれば、外部にコンサルティングをお願いするでしょうし、あらかじめ複業人材にお願いしたい仕事があってプロジェクトへ参画したわけではないでしょうね。

 

一方で、経営者の皆さんが複業人材に期待していたのは、外部からの視点で新たな変化を生み出してくれることだと思います。少しでも私たちの地域に興味を持ってくださる人材がいるのであれば、何か力を貸してもらえたら嬉しい。最初はそのくらいの温度感からスタートしたので、製造業や運送業、旅館業や採石業など、18社もの経営者の皆さんに興味を持ってもらえたのだと思います。

 

Sec2 フィールドワークで感じた、地域への関心の高さ 

安芸高田で実施したフィールドワークには、かなり多くの方が参加されたそうですね。

 

18社全ての企業を1度では案内しきれないので、2日間のフィールドワークを2回実施しました。首都圏や広島市から40名近い方々に安芸高田までお越しいただき、とても賑やかでしたね。

 

参加者の皆さんが非常に熱心で、1社1社の話に真剣に耳を傾けていたのが印象的です。また、都市部と地域の企業の違いを理解し目線を合わせながらも、鋭い質問やご意見を多く頂きました。普段の仕事では接することのないような、感度の高い人材がたくさん参加していましたね。参加後に提出していただいた複業提案書を見ても、的確な課題抽出や改善案が多く記されていて感心しました。

 

実際に成果につながった事例やマッチング後の様子など、ご存知でしたら教えてください。

 

参画企業の一つに運送業の会社があるのですが、そこでは2名の方とのマッチングが決まりました。1年近く経った今も順調に進んでいるようで、会社に変化をもたらしていると聞いています。

 

先日その企業の総務部長とお話ししたのですが、複業人材がSlackやTikTokを取り入れたり、学生への企業プレゼンテーションの内容を見直したりして、より効果的な採用広報の企画、推進を担ってくれているそうです。

 

数名の複業人材がチームで取り組みを進めていて、新入社員の方にインタビューをしたり、従業員の皆さんを巻き込んだりしながら、社員のモチベーションが上がるような様々な工夫が生まれているみたいです。

 

Sec3 経営環境を整え、時代に適した働き方を選ぶ

有田さんが経営されている会社でも、複業人材とのマッチングに至ったと伺いました。どのように仕事を進めているのでしょうか。

 

私の会社では、東京の企業に勤めている女性に複業をお願いしています。フィールドワークの後に1度お会いし、オンラインでも2回面談をしてマッチングに至りました。他にも4、5名から複業提案書を提出していただき、皆さんと面談したのですが、「私にはこういうスキルがあります」というよりも、「想いに共感したので一緒に仕事をしたいです」と言っていただいたことが嬉しかったです。

 

業務としては、会社の規定集の作成に取り組んでもらっています。複業を始める際に1度だけ安芸高田までお越しいただきましたが、それ以降は全てオンラインで仕事を進めています。週1回インタビューを実施して、私の頭の中にある考えを整理して文章にまとめあげてもらっているのですが、テレワークでも全く支障はないですね。

 

日頃、社員にあまり伝える機会がないようなことも気軽に話せるので、私の思考の整理にも役立っています。また、話しをしていると色々な考えが思い浮かぶので、当初の規定集に加えて、いつか経営を引き継ぐタイミングに備えて業務引継書の作成にも取り組み始めました。

 

どこにいてもテレワークで経営できる環境を整えておけば、首都圏での仕事を増やすこともできるので、これを機に私自身の働き方を徐々にシフトしていこうと考えています。

 

Sec4 複業人材の活用で、経営者が経営に専念できる基盤づくりを

複業人材の受け入れが広がっていけば、地域の企業経営にも良い変化が生まれていきそうですか?

 

本来、経営者が取り組むべき重要な仕事の多くは急ぎではありません。しかし、中小企業の経営者が日々のオペレーションに関わっていると、1日があっという間に過ぎて、重要な仕事にまで手が回らないこともよくあります。

 

そうした経営者の負担を少しでも減らせるように、複業人材にオペレーションの整理や再構築をしてもらったり、経営者が腰を据えて取り組むべき中長期の経営計画の実現に向けて力を貸してもらったりするのは良いと思います。ただ、そのために人材を一人雇用すると人件費負担が大きくなってしまいますが、複業人材であれば時間や業務量に応じて柔軟に働いていただけるのも利点ですね。

 

また、中小企業の経営者が社員から率直な意見をもらえる機会はそう多くはないので、経営者の話を新鮮に受けとめて、新たな気づきにつながる意見を言ってくれる人がいるのは非常にありがたいことです。複業人材は仕事をお願いする外注先の一つではなく、会社をより良くしていくための方法を一緒に考えてくれる仲間という感覚で捉えています。

 

世の中では働き方改革が進み、個人の働き方には変化が見られますが、地域の企業ではその働き方を受け入れる十分な体制が整っていない部分もあります。今後、地域で”複業で、ご縁むす部in広島・あきたかた”のような取り組みが広がり、複業人材とのマッチング機会が増えていけば、それをきっかけに地域の企業も変化していくでしょう。

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ここまでお読みいただきありがとうございました!次回のインタビューもお楽しみに!

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